手術室看護師 勉強部屋 留置針編

はじめに

3月もいよいよ終わってしまうという、時間経過の早さにビビりまくりの、はてなっちでございます。はい、本日の内容についてですが、下記になります!

ほぉ~!こんなにあるのか!留置針!
病院で見ないことはない点滴を入れるための、陰の立役者(いや、本当の立役者はそれをしっかり入れた、看護師や医師だと思いますが笑)の留置針について書いていきます!
留置針があるからこそ役に立つ、輸液や薬物についてもまとめていますのでよろしかったら

の方を読んでいただけると嬉しいです!ぜひよろしくお願いします~!

留置針について

留置針とは

動静脈の血管内に留置できる注射針のこと!

と聞くと、「え?針が腕の中にあるの?ほかのところに刺さるじゃん!!怖い!!」と思う人もいるかと思います。実際高校生くらいまで、本当に金属製の針が残っているもんだと思ってました。

というのも、高2のときインフルエンザに罹って、近くの医院にかかったところ、おばちゃん看護師に刺された針が翼状針(採血などに使われることもある金属製の針だけのもの)で、点滴中に寝てしまい、寝返りを打って、起きたら、輸液が血管外に漏れていたせいで腕がパンパンになっていました。その後抜いた針が金属針のままだったからです。

9歳のころ入院してた頃は漏れたことなかったのに、大人になると漏れやすくなるんだな~。とか思っちゃってました。

と、話が若干ずれましたが、構造は下記のとおりです!

内筒と呼ばれる金属針と、外筒と呼ばれる柔らかいプラスチック製のカテーテルからできている。血管に刺した後、内筒を引き抜き、外筒のみを血管内に留置する。

キャップを外すと針が出てきます。外筒のプラスチックの稼働を確認し血管に向かって針を刺していきます。

バックフロー(逆血流)を確認後、針を寝かせて(傾きを緩くして)、少し進めて、バックフローがしっかりあることを確認して外筒を進めます。バックフローが来ていないということは、血管を突き破った可能性が非常に高い(血管が細かったり、血圧が弱かったりする場合も、来ないことはある)ので、リカバリーできるならいいですが、基本は神経損傷など注意していかなければならないので、再度とることを、お勧めします。(大体患者さんは嫌な顔をしますが、時々「何回でも使ってくれていいよ!頑張ってね!」と言ってくれる、神患者さんがいます。笑)

留置が終わり、内筒を抜いた後、白いボタンを押して、針を格納し、針刺し事故防止に努めます。

留置できる期間は?

CDCのガイドラインでは「末梢カテーテルを96時間ごとより頻回に交換する必要はない」と記載があります。 4日より頻回にならない=4日以上間隔をあけて交換すればよいと考え、カテーテルと輸液ルートを7日に1回同時に交換するという案もあります。

まあ、しっかりは決まっていないのですが、大事なことは患者さんを観察し、感染兆候や炎症反応がないか確認して、1週間以内のどこかで交換するという感じがよさそうです。もちろん、必要ない留置はしない!というのが原則になりますので、食事が食べられていて、重要なお薬も内服で飲めていて・・・という状況なら持続点滴の終了についても主治医に相談してみると良いでしょう。

動かしていいの?

日常生活動作であれば問題ないかと思われます。あまり激しい動きをすると抜けてしまう恐れもあるので、気を付けなければいけません。基本的に手首から肘までの間の関節に近くない部分に留置するのですが、どうしても血管がなく間接近くに留置した場合、腕を曲げた際に、留置針が血管を損傷させてしまうこともあります。

けど、血管ない人って、そういったところでとらざるを得ないんですよねぇ、、、難しい。

血圧って測れるの?

病棟では、基本点滴をしていない側で計測していましたが、測ることはできます。病院にもよるのかと思いますが、手術室に入室する際は、逆流防止弁を付け入室してきます。それがあることによって、血圧測定の際に圧がかかって流れなくなっても、血管からの逆流はないわけです。

絶対測れないことはある?

ちょっと留置針の話から外れてしまうんですが、せっかくなので書いていきます。結論から言えばあります。下記のような場合です。

  • 乳がんでリンパ節郭清を受けた患者の患側
リンパ液の還流が悪くなり、患側上肢はリンパ浮腫を起こしやすくなります。そのため、マンシェットによる加圧のため上腕神経が圧迫され、上肢のしびれや麻痺、うっ滞などの循環障害が起こる恐れがあります。
  • 麻痺がある患者の麻痺側
麻痺側は、末梢の循環が悪く静脈血・組織液がうっ滞しやすい状況にあります。血管の狭窄はなくても、運動量が少なく循環血液量の低下がみられることで、健側よりも低く測定される可能性があります。
しかし、最近の研究結果から健側で点滴をしているような場合は、麻痺側で測定してもかまわないとされています。
  • シャント造設をしている側
閉塞や狭窄、感染、出血を予防するためです。

お風呂って入れるの?

入れなくないが、しっかりと水にぬれないよう保護しなくちゃいけないため面倒です。基本シャワー浴だと思っていただけるといいかなと。そして、病院のお風呂って15分なり30分なり時間決まってるのでゆっくりは入れないし、大変なんですよねー。

種類について

自分の病院にある者の話になりますが、サーフロー留置針スーパーキャス留置針の2種類になります。

サーフロー留置針

 

 

自分の病院では、14G~24Gまで2G刻みでそろえてあります。逆止弁がついておらず、内筒を抜いたら血が出てきます!ので、留置後、内筒を抜く前に、アルコール面を留置針の下に置き、すぐ先の血管を指で強く抑え内筒を抜き、そのまま点滴などを装着し指を離し、流れを確認するようにします。

スーパーキャス留置針

 

自分の病院では、16G~24Gまで2G刻みでそろえてあります。逆流防止弁がついており内筒を抜いても血は出てきません。が、留置後、採血などをするためにシリンジを装着した場合は、抜いた後に血が出てきますのでご注意を!

過去にやらかしたミス…

今まで極太の16Gは4回挑戦したことがあります。結果、3回成功、1回失敗でした。注意点としては、スーパーキャスの16Gは逆流防止弁がついていないんです。成功例のうち、1回だけ麻酔科医が「16G逆止弁(逆流防止弁のこと)ついてないからね」とあらかじめ忠告してくれたのに、血管に刺した後、何も気にせず針を抜いたら、思いのほかすごい勢いで血が留置針から逆流して汚染させてしまいました。血液の暴露は、自分だけでなく周りのスタッフにも被害が出てしまう可能性もあるので、もっと注意しなければいけなかったと反省しています。

おわりに

はい!今回は以上になります!基本的なことというか、ひねりもないので「知ってたよ~」ということが多かったと思いますが、振り返りとして使っていただければ嬉しいなと思います。病院によって使っている道具も違うと思うし、手術室では使わない針もあると思いますので、あくまでご参考までに笑ってみていただければ嬉しいです。

ちなみに私は働いていて、翼状針を見たことも触ったこともありません!笑

また、実際に自分が刺されてみることで、患者さんの痛みの理解にもつながると思うので、一度は自分の体を使って留置針を体験してみると良いと思います。私は16Gでやられたことありますが、18Gまでにしておいたほうがいいことを、ここでお勧めします笑 知識・技術共に鍛えていきましょうね~!

それでは!また読んでください~!

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