はじめに
どうも、はてなっちです。
来月の発表までにパワーポイント絶賛作成中でございます。一応、これが院生最後の報告会ゆえ、嬉しいような悲しいような、いや、うれしいですね!笑
3ヶ月後にNP資格をとって働けているのか、不安で不安で仕方ありませんが、いつも言っているように、少しづつ少しづつ、自分のペースで進んでいきます。今更できないことを嘆いても仕方ないので。
さて。今回の内容は下記になります。
当たり前に使っている輸液について、どんな時に、どんな種類を使って、量は何を目標にしていくのか、いつまで続けていくのかを書いていきたいと思います。
それでは内容の方に行ってみましょう!
輸液
周術期輸液の基本
周術期に喪失される体液
手術侵襲下ではカテコールアミン、抗利尿ホルモン、アルドステロンなどのストレスホルモンの分泌が増加することで,生体は水とナトリウムを保持し、血糖を高めようと反応する。
喪失される水分は、下記の合計である。
- サードスペースへの移行分
- 不感蒸泄
- 出血量
- 尿量
術中のサードスペースへの移行量は手術侵襲の大きさによって異なる。
- 小手術:サードスペース考慮しない
- 中手術:5 mL/kg/時 →胃切除,結腸切除など
- 大手術:10 mL/kg/時 →食道切除,膵頭十二指腸切除など
出血を細胞外液で補う場合
出血量の 3〜4 倍の輸液量が必要になる。
基本輸液量に加え、出血量、バイタルサイン、尿量から判断して輸液量に調整を加える必要がある。術後にはドレーン排液、消化液などの体外喪失なども考慮した調整を行う。
種類は?
等張電解質輸液
- 生理食塩水: 血漿と等張であり Na+と Cl−を含有する.
- リンゲル液: Ca2+,K+を加えて血漿に近づけた電解質組成となっている。
アシドーシス予防のためのアルカリ化剤として下記を加えたものが、各々の製剤である。
- 乳酸 Na :乳酸リンゲル液
- 酢酸 Na :酢酸リン ゲル液
- 炭酸水素 Na:重炭酸リンゲル液
低張電解質輸液
-
開始液(1号液):K+を含有せず,等張電解質液の 1/2〜2/3 の Na+, Cl−を含む. 脱水の状態が不明な際の水,電解質補給として開始できる.
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細胞内補充液(2号液):Na+、Cl−に加え K+、Mg2+などの細胞内電解質を含む。1 号液により体液が補給されたのちの電解質の補正に用いられる.
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維持液(3号液):電解質濃度が生食の1/3〜1/4と低い。通常 2,000 mL 程度を補給することでNa+、Cl−、K+の組成が健常人の水・電解質の平均的な1日必要量をまかなうことができる。
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術後回復液(4号液):3号液に比べK+を含んでいない。手術後の尿量が不十分な場合や、細胞内への水分補給効果を期待する際に用いられる.
水分・電解質の必要量は?
水分の必要量・3通り
- 1 日必要水分量=体重×25~30mL/日
例)体重 60kgの場合、1500~1800mL/日
- 水分出納を用いた考え方
1 日必要水分量=尿量+汗・不感蒸泄(15ml/kg/日)+便の水分量(100ml)-代謝水(300ml)
例)60kgで計算すると、尿量+900mL+100mL-300mL/日=尿量+700mL/日
- 尿量を用いて ・ 1 日必要水分量=尿量+15mL/kg/ 日 として計算
例)60kgで計算すると、1日必要水分量=尿量+900mL/日
電解質の必要量
- Na:1~2mEq×体重/日、K:0.5~1mEq×体重/日
例)60㎏で計算すると、Na:60~120mEq/日、K:30~60mEq/日となる
いつまで?
そもそも輸液は
- 持続的な静脈内薬剤投与が必要なとき
- 静脈内への薬剤投与経路を確保するため
- 1日に必要な水分・電解質・栄養の補充
上記のために行なっていくため、手術によっては、翌日食事が食べられたらやめれる場合もあれば、抜管ができない、術後思ったように離床・嚥下などできなくて1〜2週間以上、もしくはもっとかかる場合もあります。
おわりに
いかがだったでしょうか?
術後のことだけを考えるのではなく、術中の状況や、尿量や食事摂取の状況など、さまざまなことを鑑みて、輸液量を決定していきます。
尿量が出過ぎている場合は輸液を絞りますし、でなさ過ぎている場合は利尿剤を使って様子を見ます。その時その時に合わせて臨機応変に対応していかなければいけないため、患者さんをしっかり見ないといけないですね!!
それでは今回は以上になります。また次の記事も読んでくださいね! またね〜!!