はじめに
いつも見てくださってありがとうございます。はてなっちです!来月に迫った、院の入学式と勉強に関して、ちょいちょいビビり始めています。自分が行くところは、基本オンライン講義で、実技演習のとき以外、顔を合わせて話すなんてないと思うんですが、コミュ障ゆえ、友達ができるか(最悪友達まで行かなくても、気兼ねなく質問できる人…笑)心配です。
と、今ビビっていてもしょうがないので、とりあえずまとめ始めます。今回は下記についてです。
麻薬についての基礎知識
勝手に申請できるの?
病院をやろうと思うので、麻薬ください~!はいわかりました~。頑張ってくださいね~!
とはなりません笑 当たり前ですが、責任の伴う薬ですので、下記のような人が必要になります。
施用者と管理者
麻薬施用者
都道府県知事の免許を受けて、疾病の治療の目的で業務上麻薬を施用or交付or麻薬を記載した処方箋を交付する者のこと。
麻薬管理者
都道府県知事の免許を受けて、麻薬診療施設で施用or交付される麻薬を業務上管理する者のこと。
身近な事故の例
適当な話を作るわけではなく、私が実際にやらかしたミスです…笑 いや、笑い話じゃないんですけど、気を付けていてもやっちゃったんですよねぇ…
1、シンプルにアンプルを割る
新人の頃に、朝自分の部屋つくりをし、導入に必要な麻薬の準備をするために、薬品庫のほうに向かいました。薬品をもらって、薬品カートに乗せようと振り向いた際に、後ろにいた人に気づかず、ぶつかってアンプルが落ちて、割れて、ぶちまける…。麻薬に対する知識がそこまでなかった自分でも、「あ、これはまじであかんやつだ・・・どうしよう・・・」と、視界がぐにゃ~ってなったのを、今でも覚えています笑
2、サイフォニング現象で、薬液をほぼ床にまき散らす
言い訳をするわけではないんですが、これは自分のせいじゃないはずのミスです。というのも、麻薬の準備を終え、応援で来ていた麻酔科の医師に、確実にロックをかけて渡し、麻酔科の医師が受けとって、シリンジポンプにセットしました。そのあとお昼休憩に入り、30分くらいたったところで、「麻薬の液が全部漏れてるぞ!!!」と激昂したリーダーからの電話がありました。ロックもかけたし、医師がシリンジポンプにセットしてたしなんで??と思ったんですが、シリンジの引く部分がちゃんとセットされてなかった、かつ、ロックが外れて延長チューブが床に垂れていて、サイフォニング現象で漏れ出ちゃっていたわけです。その後理由を聞かれて話すんですが、新人のいうこと < 麻酔科医のいうことで、まったく信じてもらえず、反省文を書かされました。THE 理不尽です。笑
対処方法
上のような状況になったときに、どうすればいいのかというのを説明していきます。
- 自分一人でどうにかしようとせず、先輩や上司を呼ぶ。
- 状況確認や説明が終わった後に、薬液やアンプルをできうる限り回収する。(絶対捨てない)
- 回収したものを薬剤科に運ぶor取りに来てもらう。
- 事故報告書なるものがあるため、それに記載する
- 反省文を書く。(病院や、所属部署の規定による。笑)
です。失敗してもしゃーない!気楽に気楽に!! とは言えないですけど、次ミスしないように報告書等はしっかり書きましょう。自分のためになります。マジで一番やっちゃいけないのは、ごまかしてうそをつくこと! やってしまったことは戻らないので、正直になることです!!! 嘘ついて一番不利益被るのは患者さんですよ!!それを忘れないでください!!
麻薬の取り扱い方法
医療用麻薬の使用は「麻薬取締法」により様々な規制があります!
麻薬の保管・管理
鍵付きの金庫の中に保管する必要があり、紛失や盗難がないように厳重に注意します。
記録の記載
麻薬を使用した際は、きちんと看護記録に記載しなければなりません。
麻薬の返却
普通の薬液は、余った際には廃棄する事ができますが、麻薬は廃棄する事はできません。
ちなみに1回だけ、使用済のアンプルを捨ててしまい、自分の手術部屋の医療廃棄のごみ箱を何個も明けて探しまくり、見つけたこともあります。本当に気を付けてください!!!
麻薬について
ここからは、手術室にはどんな薬があるのか?ということで説明していきたいと思います。作用、副作用は、ここに記載してるよりもっとありますが、メインのものを記載しています。
麻薬
作用
- フェンタニル:鎮痛
- アルチバ:鎮痛
- モルヒネ:鎮痛
- ケタラール:意識消失、鎮痛
- ぺチロルファン:鎮痛
副作用
- フェンタニル:呼吸抑制、血圧低下
- アルチバ:呼吸抑制、血圧低下
- モルヒネ:呼吸抑制、血圧低下
- ケタラール:悪夢や幻覚を見る、血圧上昇、頻脈
- ぺチロルファン:不整脈、血圧変動、顔面潮紅、不穏、幻覚
毒薬
作用
- ロクロニウム:筋弛緩
- スキサメトニウム:筋弛緩
副作用
- ロクロニウム:血圧低下、徐脈
- スキサメトニウム:血圧低下、徐脈
2つの薬剤の違い
- 効果発言時間の速さ:ロクロニウムが60秒なのに対して、スキサメトニウムで45秒である。
- 妊婦への使用:スキサメトニウムは胎盤通過性が弱いため、好んで使われることもある。
劇薬
作用
- プロポフォール:鎮静作用,催眠作用,抗不安作用,健忘作用,制吐作用,鎮痙作用
- ディプリバン:同上(どちらも卵、大豆アレルギー持ちへの投与は注意する。)
- ラボナール:鎮静、意識消失、抗痙攣作用(上記アレルギー持ちに使用できる)
副作用
- プロポフォール:呼吸抑制、血圧低下
- ディプリバン:呼吸抑制、血圧低下
- ラボナール:呼吸抑制、血圧低下
向精神薬
作用
- ミダゾラム:鎮静、意識消失、抗痙攣作用
- ソセゴン:鎮痛
- セルシン:鎮静、意識消失、抗痙攣作用
- レペタン:鎮痛
副作用
- ミダゾラム:呼吸抑制、血圧低下
- ソセゴン:悪心、嘔吐
- セルシン:呼吸抑制、血圧低下
- レペタン:悪心、嘔吐
その他
他に、自分の働いている病院では、特に危険な薬剤として上記の薬物も金庫保管にしています。
他の病院でも、そういった薬はあるのでしょうか?? よかったら是非教えてくださいね!!
基本的な薬剤について
これは病院によってさまざまかと思われます。自分の働いている病院では通常薬品カート内には
- 生理食塩水
- 鎮痛剤
- 昇圧剤
- 降圧剤
- 副交感神経抑制剤(心拍数を上げる目的)
- 局所麻酔
- 制吐剤
- 抗生剤
- キシロカインゼリー
- 蒸留水(フォーレ用)
- 筋弛緩拮抗薬
が入っており、重症患者や心疾患患者用に下記の写真の薬品カートがあります。
- 抗血栓薬
- 抗血栓拮抗薬
- 昇圧剤
- 利尿剤
- 補正剤
- 昇圧剤
- 降圧剤
- 強心剤(循環不全改善目的)
- 抗不整脈薬(局所麻酔としてもつかわれる)
- 生理食塩水
があります。
です。基本的な薬品カートと、重症・心疾患用の薬品カートはこんな感じですが、中央ホールの薬品置き場には下記写真のような薬も置いています。それぞれ用途に合わせて持っていき、使っていくという感じですね。
ちなみに、フルマゼニルの横に「アネキセート」と書いてある文字ですが。私が書き入れました。笑 前発薬がそういった名前で、昔術後に、ほしい!と言われすぐに持っていけなくて怒られたことがあり、そういう悲しい思いをする後輩を作らないようにと書き入れました。
結構あるあるですが、デキサートはデカドロンと言われたりドブポンはドブタミンと言われたり…と思ったらこの前見たら薬品が変わったのか本当にドブタミンって名前になっているし笑 大変です本当に。
おわりに
今回は以上になります。新人のときほど考えなくはなってしまっていますが、改めて、怖い薬を扱っているんだなということを念頭に置いて、働いていかないといけないなと感じました。また、麻薬だけでなく、通常の薬物でも患者さんによっては「アナフィラキシーショック」を起こすなど、危険は伴います。
前回の記事で輸液についてもまとめていますので、もしよろしかったら、手術室看護師 勉強部屋 輸液編も読んでいただけますと嬉しいです!
それでは次回、またお会いしましょう!ばいばーい!