はじめに
どーもどーも!いつのまにか2月も終わりかと、年々、時間が過ぎるのが早くなっている、はてなっちです。今回は下記内容についてです。
手術室看護師になるうえで一番大変なんじゃないかと思うことが、たくさーーーーんある機械や、縫合糸の種類を覚えて、適切な場面で術者に出すことだと思います。病棟でも処置回診時に使うであろう物品もあると思いますので少しでもお役に立てればと思います。
ちなみに新人のとき、Drに「曲がり」と言われて、開腹して、腹腔内操作をしていたにもかかわらず「曲がりコッヘル」を自信満々に渡して、死ぬほど怒られた思い出があります笑
いや、笑い事じゃないんですけど、なんでダメなのかはぜひ読んでいただければわかると思います。
手術使用器械
手術室の機械は大別するならば以下の内容に分けられるのかなと思ってます。
- 切る
- 持つ
- 引く
- 剥く
- 縫う
- 補助
多いように見える器械ですが、用途を理解するだけで、ぐっとわかってくると思います。少しずつでいいので、頑張って覚えていってください!
切る編
- メス、クーパー
メスには先がとがっている尖刃(スピッツ)と、先が丸まっている円刃(バウフ)があります。
↓これは刃を付け替えて何度も使用できるもの。上からNo.11、No.21用
↓これは単回使用のメス。上からNo.11、No.15、No.21用
メスの種類は様々ありますが、ある程度やることは決まっているため、全種類入れている病院は、ないのではないでしょうか… 私が働いている手術室では耳鼻科で使う湾刃刀(鎌のようなもの)の他に
- 尖刃刀(No.11)
- 円刃刀(No.15)小
- 円刃刀(No.21)大
の計4種類になっています。
クーパーには4種類あります。
- 先端が曲がっているクーパー
- 先端まで真っ直ぐなゲラーデ
- 糸切り用のメッツェン
- 組織切り用の薄刃のメッツェン(刃先が薄くなっている)
画像左から クーパー、ゲラーデ
画像左から薄刃のメッツェン、糸切りメッツェン
種類があるのはその場その場に合ったものを最初出すのは難しいと思うんですが、慣れてわかってきて、Drが何も言わず手を出したところにパンッ!といい音を出して渡すのは爽快なもんです笑
把持・牽引編
- (布鉗子)
- コッヘル
- アリス
- 曲がりペアン
- ヘモ鉗子
- 筋鈎
言わずもがな、把持するときに使うものです。布鉗子はおまけで入れた感じですが笑 ヘモ鉗子は痔のときに使う鉗子ですが開腹の胆のう切除の胆のう把持鉗子としても使っています!他病院はどうなんでしょうかね??
左から圧布鉗子、ヘモ鉗子
左から、曲がりペアン、曲がりコッヘル、コッヘル
左から、アリス鉗子、筋鈎
曲がり鉗子は把持鉗子に入れましたが、他にもドレーン孔の穿刺目的やドレーンのクランプ、組織の把持などなど病院によっても様々だと思いますが、様々な用途がある鉗子です。筋鈎は、視野確保のための牽引目的に使われます。
Drに聞いたところ、結構力がいるので大変とのことです笑
コッヘルは、腹膜や、皮下組織以外のときに、使用しないように注意してください!そこに消化管や神経、血管などがあった際に先端がとがっているため損傷の恐れがあるためです。冒頭で、新人の私が怒られた理由はこれです。
剥離編
- モスキートペアン
- ロングモスキートペアン
- ライトアングル
- スペンサー
- ケリー(強湾、弱弯)
左上から、モスキート、ロングモスキート、ライトアングル
左上から、弱弯ケリー、強湾ケリー、スペンサー(なかなか違いが分かりにくいですね…笑)
神経や血管、癒着した組織の剥離に用いるものです。
ロングモスキートペアンは、文字通りモスキートペアンの長いものです。剥離の他には、テトロンテープや、糸類などを鉗子でかんで、術野に渡す際に使うときもあります。
ライトアングルは鉗子の先に角度がついたもので、スペンサーは同じく角度がついてるのですがライトアングルより先細で細かい部分に使用されることが多いです。ケリーはライトアングルよりさらに長い鉗子で強湾、弱弯があります。基本、弱弯から渡して剥離し、状況によって強湾を後出しで使うことが多いです。
意外とDrも知らずに使ってるんだなぁと思った体験談でした。
縫合編
- マチュー
- へガール
左から、マチュー、へガール
これも言わずもがな、名前の通り持針器です。だけど、どっちがマチューでどっちがへガールだっけ??と、なかなか覚えられなかったときに、ガールは細い!と、よくわからないこじつけをして覚えてました笑 誰に覚えてもらうわけでもなく、自分で使う覚え方ですしね。
国試でもゴロ合わせにすると覚えやすかったりしますし、何か覚えにくいのがあったとしたら自分なりにかみ砕いて解釈していくのが一番かと思います!!
切離補助編
- 腸鉗子(直&曲ダルム鉗子)
- 胃鉗子
- ナミナミ鉗子
- 直角鉗子
- 直ペアン
左上から、曲がり胃鉗子、直胃鉗子、曲がり腸鉗子
左から、直腸鉗子、直ペアン
左から、ナミナミ鉗子、直角鉗子
胃や腸の切離の際に使う鉗子です。直ペアンについては、把持編に入れてもよかったのですが、あんまり使ってる印象がなかったのと、自分の病院としては腸切離(フリーハンド切離)の場合(器械切離・器械吻合が多い)、直ダルム鉗子と直ペアンを使用して切離していたため、切離補助編に加えさせてもらいました。
ナミナミ鉗子、直角鉗子、は開腹胃全摘術に使われる機械です。直角鉗子は、食道を切離する前に使用し、切離後にナミナミ鉗子で挟んで、針を通せる穴から針糸を通すことによって、食道を巾着上に縫え、吻合器のヘッド部分を容易に取り付けられるようになる器械です!
こういう便利な器械ができて手術時間がどんどん短く事故が減っていくと思うんですけど、なかった時代はすごい大変だったんだろうなぁと思っています。
おわりに
新人の頃は、何が違うのか、なんでこんなに多いんだめんどうだなぁ…とか思っていました。今なら、全部の鉗子が、その時その時の用途に合った器械で、いらないものなんてないんだ、と理解できています。過去の自分、もうちょっと頑張って覚えるんだぞ!笑
マイクロ製品やドリルなど、入れればきりがなくなってしまうので基本を押さえている、ここまでにします!
次回は、使用縫合糸について解説していきます!
また是非読んでくださいね~!